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あなたからは逃げられない
第13章 反抗期の弟の本音



「会長も奥様も先に行っていてください。葉月もふたりと先に降りてて。」


龍輝さんがそう言うとパパは行こうと言ってくれたけど気になったので残ることにした。


部屋からは龍輝さんの声が聞こえてくるのを音を立てずに聞いてしまった。


「陽介くんは今までやってきたことが全て会社のためにやらされていたと思うか?

葉月もそうだけど小さい頃から身についたものは宝だよ。
面接をしたけど彼女はやっぱり人よりもきちんとした言葉遣いだし目をひいたよ。


俺には親がいない。
小さい頃から特に何も言われなかったから会社に入ってから苦労した。どんなことも今までと同じでは通用しなくて学生の時より勉強したよ。
こんなことになるなら学生の時に苦労しとけばよかったと思った。

だから今やってることは絶対無駄にはならないよ。

俺はいずれ本部に移る予定だけど俺に追いついて俺を越してくれよ。楽しみに待ってるから。」


龍輝さんの言葉に陽介が返すのが聞こえた。


『俺は勉強が嫌いじゃない。
けど今までやってきたことを簡単にそうかとか当たらり前だと言われるのがしんどいんだ。

よくやったって褒めてくれることなんてなかったから。』



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