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あなたからは逃げられない
第3章 それは私のすること

龍輝さんの膝の上に乗せられて私の目線の先に現れたのはあのバルミューダのトースターだった。
「なぁ、本気で俺のこ…」
「あ!あれ!バルミューダのトースター!!」
大きな声で言ってしまったから龍輝さんが何か言おうとしていたことを遮ってしまった。
「ごめんなさい。どうぞ...」
恥ずかしくて顔が多分真っ赤だと思う。
そんな私を見て龍輝さんはもういい。と言って私の手を引きキッチンへと向かった。
そこにはきちんと整理された調味料やキッチンツールなどが綺麗に置かれていて料理をする人のキッチンだった。
「そんなにこのトースター気になる?」
「はい!だって高くて買わないもの。」
「やっぱり買わされたのか。
電気屋に言ってトースターと言ったらこれが出てきたんだ。選ぶのも面倒だし時間もなかったからこれを買ったんだよ…」
私は少しおかしくて笑ってしまった。
「完全にやられましたね!」
店員も人を見て判断しているのだろう。
いかにもお金持ちそうだったしこれでいいや的な感じで買わされたに違いない。
「相場がよく分かんねぇ...」
「高いですよ。でもいいなぁ。」
すると思いもよらない言葉が龍輝さんの口から発された。

