この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
あなたからは逃げられない
第21章 新人研修中の出来事

「会社の人たちは龍輝さんがこんなに甘えるなんて想像もしてないんだろうね。
陽向が言ってたよ。この前松井さんのこと注意してたんでしょ?そのあと怖くて声掛けられなかったってー」
「あー、あん時な。取引先のとろくさい社員に腹立ててたのに修二がバカみたいなこと言ったからキレた。」
「もう、やめてよー!可哀想でしょ。」
あの日私を見つけた陽向が走ってやってきて怖いと愚痴っていたことを思い出す。
すると部屋のチャイムが鳴りルームサービスが届くとお腹を空かせていた龍輝さんは手を付けた。
「食うか?」
さっきたくさん食べたし時間も時間だから私は遠慮した。そんなに食べきれるのかと思うくらい注文していた料理もかなりのペースで減ってきている。
「は、早い。ねー、ゆっくり食べなよ…」
「あぁ。」
私は洗濯機の前に行き回っている洗濯物を見ながらまだかなぁと待っていた。
そんな時ふと優兄ちゃんが頭に出てきた。多分数日後にはパパの耳に入るだろう。
そしたら今小鳥遊グループからたくさん仕事をもらっている奥村観光は経営が厳しくなるかもしれない。
優兄ちゃん...
どうしちゃったの?
お願いだから昔の優兄ちゃんに戻って!!

