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あなたからは逃げられない
第3章 それは私のすること

「おやすみ。」
龍輝さんは確かにそう言った。
私の聞き間違いかと一瞬不安になったけれどすぐ耳元でスースーと規則的な寝息が聞こえてくる。
え?寝るの?
期待していたわけじゃないけど
少しくらいイチャイチャしたり…って一人で妄想していたのに。
「寝るんですか?」
ついつい聞いてしまった。
聞かなくてもいいことなのに...
私の質問に龍輝さんは眠そうな声で話す。
私はドキドキしていて眠気なんてない。
「どした?眠くないなら目瞑っとけ。」
「いや…その...するのかと思ってたので…」
私は何を言っているの?!
自分で自分のことをバカだと罵った。
「するって何を?」
私が言い出したんだから答えなくちゃいけないのに、なぜか答えることを躊躇してしまっている。
そりゃそうだよね...
女の子がこんなこと言っちゃ…
「いえ、何も無いです。」
このことは忘れてもらおうと何も無いと言ったのに龍輝さんは納得出来ていないのか私の耳元でわざとらしく囁く。
「気になるから教えて。葉月...」
辞めてぇーーーそんな耳元で名前なんて呼ばれるとどうしてのかゾクゾクしちゃうじゃない。

