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あなたからは逃げられない
第3章 それは私のすること

なぜか喜んでいて機嫌のいい龍輝さんは朝ごはんを食べ終えるとスーツに着替えてきた。
私も彼が着替えている間に食事を済ませてキッチンで片付けていると背後に気配を感じる。
多分彼が立っているんだろうと分かる。でも次の行動は私の中で想定外の事だった。
洗い物をしていて両手は使えない。おまけに手は洗剤で泡だらけなのに後ろから何も言わずに抱きしめられてしまった。
「ちょっと、今お皿洗ってるの!」
「ちょっとだけだから。」
155センチの私よりはるかに大きい龍輝さん。
そんな人に後ろからお腹に手を回されて抱きしめられると抜け出せるわけもない。
抱きしめることが好きなのかな。昨日の夜もそうされてたし。
「泡はねちゃったらスーツに付いちゃう。」
「別に気にしない。」
「ほら、もうすぐ大河原さん来るでしょ?」
チラッと時計を見た龍輝さん。
「まだ来ない。」
「あ!じゃぁコーヒーは?」
「さっき飲んだから。ってかちょっとだけじっとして。今から帰るまで一緒に居られないから充電中だから。」
駄々を捏ねる子供みたいにあー言えばこう言う人だなぁ。
それでも気持ち悪いとかウザイと思わないのはイケメンだからなのかも。

