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あなたからは逃げられない
第1章 あなたとの出会い

「...あの…父か母に連絡…したんですか?」
どうしようもなく緊張してしまって声が震えていただろう。
「いや、俺も自分の進退がちゃんと出来るか不安で、君に聞いてからにしようと思ってまだしていない。」
私は救われたと思った。怪我も大したことない。
明日からまた学校には普通に行けるから親にバレることはない。
「しないでください!!
絶対に親には言わないでください!」
「いや、未成年だからそういう訳には…」
「私もう二十歳になってるんです!
親の七光りは嫌だからこうやってここに来てるんです!
だから!絶対に!!!
連絡だけはしないでください。
そしたらあなたも職は失わなくていいはず。」
こんな会話誰にも聞かせられない。
看護師さんにも出ていってもらってよかった。
「そうか。
でも治療費や慰謝料は必ず払うから。
連絡先を教えてもらえるか?」
もうこれ以上父の会社の人に関わりたくないと思った私はスーツの男にこう言った。
「青蘭短期大学の小鳥遊葉月です。
何かあれば学校に言ってください。
私はもう大丈夫だし慰謝料なんていりませんから...お願いしますお引き取りください」

