この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不器用な夫
第2章 執事
風呂からあがれば僕は再びため息を吐く。
いつもなら無人である僕のベッドに明らかに人影が存在する。
掛け布団を足元に肌蹴させてヒラヒラの白い布で花のような広がりを見せるハコが眠るベッドに僕の心臓がまたしても高鳴り興奮を促して来る。
「ハコ…。」
生唾を飲み込み初めて僕の妻としてハコの名を呼ぶ。
段々と僕の中で教師としての意識が小さくなる。
万歳をしたように手を上げて仰向けになるハコは僕の前に無防備な姿の全てを晒してる。
艶やかな唇が半開きのままスースーと寝息を立ててるのがわかる。
閉じられた瞳。
整った前髪に僕の指先が触れて髪を避ける。
真っ白な富士額。
その額からこめかみに向かって指先を這わせていく。
「寝たの?ハコ…。」
もし起きてたら言えない言葉を僕はハコに呟く。
起きてたら僕はハコを学生として扱ってしまう。
今は無邪気な寝顔を僕に向ける僕の花嫁だと僕はハコに本音を晒す。
「ハコ…。」
指先でハコの耳を撫でながら僕はハコの頬に唇を寄せて当てる。
柔らかい頬の感触が僕の唇に伝わる。
「ん…。」
くすぐったかったのかハコが小さな声を出す。
ドキドキとする鼓動が止まらない。
鼓動と共に僕の行為も止まらない。
ハコの首筋へと指先を這わせながら僕の唇がハコの唇へと重なり合う。
これが…、キス…。
柔らかなハコの唇を味わうようにして僕は舌先で舐めてみる。
これが…。
ハコの唇…。
その唇を喰みながら彼女の口の中へと舌を入れる。
白い小さな歯を舐める。
その先でざらつく柔らかいものに僕の舌が触れる。
ハコの舌が僕の舌に当たる。
まだ眠ったままのハコの舌が僕の舌に絡み付いて来る事はない。