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不器用な夫
第21章 会話



これ以上はハコには苦痛なだけだと思う。

完全には勃起する事ない僕の性器をハコが必死に愛撫する。

それを無駄な行為だとハコに理解して欲しかった。


「もういいよ…。ハコ…。」


僕の言葉にハコが目を見開き傷付いた顔をする。


「やっぱりハコじゃ無理だから?ハコじゃ国松家の妻として相応しくないから?」

「それは違うよ。」

「だって…、要さんはハコを変になるくらいいっぱい感じさせてくれるのに、ハコは要さんを感じさせる事が出来ないもん。」


大きな瞳にハコが涙を浮かべ出す。

その瞳にキスをして、ハコへの愛情が変わらない事を不器用なりに示してやる。


「僕はハコを愛してる。ハコとはまだ短い夫婦生活かもしれないけど、ハコが居ない生活なんか考えられないくらいにハコを愛してる。」


だからハコに話をする。

国松家の呪われた身体の事実を…。

それをハコに受け入れて欲しいと願う。

僕の全てを愛して欲しいとハコに話をするのだと覚悟を決めて息を吸う。


「だからね。ハコ…。」


僕が事実を話そうとした瞬間


「やっぱり要さんには藤原家が必要ですか?」


ハコが心配そうに僕の顔を撫でて聞いて来る。

時間が止まったような気がした。

トクンと僕の心臓が鼓動を止める。


「ハ…コ…?」


今…。

なんて言った?

そう聞く前にハコの唇が軽く僕の唇に触れる。


「やっぱり要さんを感じさせる事が出来るのは藤原家のイかせ屋だけなのですか?」


思いもよらないハコからの告白に僕はただ狼狽える。


「知ってたのか…?」

「お義父様から…、聞いてます。でも、それはきっと要さんがとても嫌がる事だと…、昔々にお義母様がとても傷付いたから…。」


ハコの告白に僕の心臓がバクバクと早打ちするから僕は痛む胸を押さえ込む。

ハコがそっと僕の身体を抱き締める。

始めから全てを知ってて僕を受け入れると決めていた少女に涙が出る。

僕の全てを愛してくれる人…。

しばらくはハコに抱き締められたまま僕は動けずに涙を流すだけだった。


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