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不器用な夫
第5章 愛人
やり過ぎたか?
僕は狼狽える。
「ハコ…?ねぇ…、ハコ?」
ハコが目を開けようとはしない。
どうすれば…。
パニックになって来る。
僕には女性経験がない。
どこまでやれば女性が悦ぶのか、どの辺りで加減すべきだったかがわからない。
ひとまずハコの乱れた服を直してハコを寝室のベッドに寝かせてやる。
ハコの微かな息遣いを確認する。
ハコの脈を手首を握り脈をみる。
フルマラソンをしたかのように速い脈にますます僕は狼狽える。
「公平…。」
悪い癖だ。
狼狽えると公平を呼び付けて何とかして貰おうとする自分が嫌いなくせに公平を呼ぶ。
『すぐに伺います。』
僕の狼狽えを理解済みの公平があっという間にハコが眠る寝室へと姿を現す。
「何が起きたのです?」
公平が冷静に僕に聞く。
「ハコが…、意識を失くした。」
情けない顔で僕は公平に訴える。
「奥方様が?ちょっと失礼します。」
公平はハコが横たわるベッドに上がりハコの閉じた目を開き、僕がしたようにハコの脈の確認する。
全てを確認した公平がニヤリと笑い僕を見る。
「奥方様が意識を失う前は何をされてましたか?」
「何をって…!?」
僕はアタフタとするだけだ。
ハコが気持ちいいと言うから僕はハコが望むようにハコを感じさせた。
「オーガニズムに達し過ぎて失神されたと判断すべきでしょうか?奥方様の服がお洩らしをしたほどに随分と濡れておりますし…。」
わかってて公平が僕に嫌味を繰り返す。
「オーガニズム…。」
「坊っちゃまだって何度も経験がおありでしょう。」
意味有り気に笑う公平が僕ににじり寄る。
不味いと思う僕は我に返る。