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やじろべえ
第1章 There is no escape.
◇◇◇


翌日、また女絡みで羽山に付き合う羽目になった。
誘いをかけてくるのは大抵羽山の方だ。

「ちょっと出かけてくる」

有紗を鎖に繋いだら、おとなしく洗面台の前に座った。
黙ったまま目を伏せているが、下腹を庇うように手を当てている。
俺は部屋に戻ってスーツに着替えると、バスローブを持って有紗の所へ行った。

「これを羽織ってろ」

手にしたバスローブを有紗の体に掛けてやると、有紗は驚いた顔をして俺を見上げたが、直ぐに顔を背けて部屋を出た。

下手に誤解されたら困る。
ボテ腹を楽しむ為に、マンションに置いて面倒をみてきただけだ。

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