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奴隷オークション
第26章 運命の週末その1
「えっ。」そんな事考えた事もない。
「今までの主はどうか知らないが従って貰う意味が違うんだよ。」
「従う意味。」
「そう。貴女が今まで前の主に従っていたのは恐怖でじゃないのかな。」
「はい。従わないと何されるかわからない恐怖です。それが奴隷ではないのですか。」
「俺の事怖いかい。」
「いえ。恐怖は感じません。」
「それは良かった。俺の従うというのは信頼だよ。」
「信頼ですか。」
「そう。この人なら全てを託せると思って貰う事かな。」
「全てを。ご主人様にだったら命も差し出します。」昌子は真剣な眼差しで言う。
「ありがとう。それじゃ調教が楽しみだ。」
「はい。私も。」
「ところで先生はなんだって。」
「暫く入院しろと。」
「うん。それがいい。」
「それじゃお部屋に案内します。」待っていた看護婦が話に割って入った。
「あっ。つい長話になってしまって申し訳ない。」と隆二が謝る。
「それじゃ行きましょうか。」と看護婦が昌子に声をかけた。
「はい。それじゃご主人様失礼します。」と昌子が深々と頭を下げた。
「ゆっくり休むといい。また明日様子を見に来るから。」
「はい。」昌子は看護婦について病室に向かった。
隆二は診察室に入っていく。
「彼女はどうなんですか。」と広正に声をかける。
「静養させないとな。妊娠したかどうかはまだ判断出来ない。」
「そうですか。」
「暫く俺が預かる。」
「はい。」
「それよりオークションはどうだ。」
「かなりしつこく入札してきます。」
「そうだろうな。絶対渡すなよ。」
「わかってます。」
「金は心配しないで落札しろ。」
「はい。ありがとう御座います。このまま入札してもただ高くなっていくだけなので最後に勝負します。」
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