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遅すぎる初恋
第21章 クリスマスデート
次の日。
朝ごはんを食べ、チェックアウトを済ませて車に乗る。

「行きたいところあるんだけど、いい?」

特に予定も考えてなかったから、紫音に任せることにした。

都内の方へ車を走らせ、向かった先はジュエリーショップ。
近くのパーキングへ停める。

「こんなとこに何か用事でもあるの?」

「ん?まぁね。受け取るだけなんだけど」

そう言ってジュエリーショップへ入る。
クリスマス時期で男女のカップルがいる中、紫音と一緒に入る勇気はなくて店の外で待っていた。

しばらくすると、小さな袋を手に紫音が戻ってきた。

「何それ」

「んー?秘密。さて、次はお昼ご飯にしようか」

秘密って言われると気になる……。
気になって気になってモヤモヤする気持ちを抑え、紫音について行く。

この時期らしい洋風のカフェ風レストランに入ることにした。
メニューの中から、俺はデミグラスハンバーグのセット、紫音はナポリタンのセットを頼んだ。

「なあ、やっぱ、ソレ気になるんだけど」

さっきの袋を指しながら言うと、紫音は少し考え込んでから、袋を開ける。

中から取り出したのは、小さな箱。

「和哉、左手出して」

言われた通りに左手を出すと、箱を開ける。
そして取り出したものを薬指へ持っていく。

「ホントはさ、クリスマスのイルミネーションとか夜景とか見ながらって思ってたんだけど。和哉が心配そうにしてるからオレの負け」

箱の中にはもう一つ同じデザインのものがあって。

「オレにもつけて」

紫音から渡された指輪を同じように左の薬指にはめた。
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