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遅すぎる初恋
第13章 同棲
その後はベッドがシングルサイズで男二人が寝るには狭いから、くっついて寝る。
俺がこのベッドで寝るのは週末に泊まりに来てたときだけで、そんなに数は多くない。

最中は甘える紫音だけど、それ以外では俺の方が紫音に甘える。
年下なのに妙に包容力が紫音にはあって、生まれて初めて恋人ができた俺は常にいっぱい、いっぱい。
だから、理性飛んででも紫音を繋ぎ止めるために必死。
そんな俺を知ってか知らずか、優しくぎゅーって抱きしめながら眠りにつく。それが心地良くて甘えてしまう。

「これから一緒に寝るにはもっと大きいベッド欲しいよね」

紫音の胸あたりに顔を押し付けるようにしてた俺の頭上で声が聞こえた。

「たしかに。夏とかくっつきすぎて暑そう」

「だよね。オレはあれだけS全開の和哉がこうやって甘えてくるのは可愛くて大好きなんだけど、真夏はくっつくにしてもちょっとだけ暑いかもね」

「か、可愛い言うなっ! 可愛いのは紫音だろ」

「えー、オレより和哉でしょ。あーんな激しいのが好きなのにこんな可愛く甘えてくるし。オレはすっごい男らしい和哉も抱きしめられるのが好きな和哉もどっちも好きだよっ」

さらに強めに抱きしめるから、何だかわかんないけど泣きそうになった。
嬉しくて泣くとかって本当にあるんだ、と初めてそんなことを感じた。

「紫音。やっぱもうそれ以上煽るの禁止」


それから数日後。
俺は死ぬほど恥ずかしかったけど、紫音と二人で家具屋へ行き、あまり大きいのは置けないから、ダブルベッドを買った。

それでも寝るときは、くっついてるから「結局こうなるよね」と紫音は嬉しそうに笑っていた。



この幸せがずっと続くことを願わない日はない。

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