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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
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…すべてが散り果てても…
あの頃、私の胸の中には、確かに薔薇が咲いていた…。
唯一の…真紅の夏の薔薇が…。
あの愛の日々は、確かに存在していたのだ…。
澄佳はその薔薇の面影を永遠に封印するように、一度だけ瞼を閉じた。
「…私は貴方とは結婚できないわ。
…いいえ、してはならないのよ」
「澄佳さん!」
…きっと片岡さんも今、苦しんでいる…。
麻季子さんと共に…。
その責任の一端は私にもあるのだ…。
「…私だけ、貴方と幸せになるわけにはいかない」
「…澄佳さん…」
「…自分の罪に目を瞑って、貴方と幸せにはなれない。
きっと私は、貴方も苦しめてしまうわ…」
舞い落ちた花弁を手に取る。
…あの日の薔薇とよく似た…チャイナローズ…。
あの日の薔薇は…あんなにも輝いていたのに…。
今は、色褪せて見える…。
…それは、私が変わってしまったからだ。
「…私の薔薇は…もう散ってしまったのよ…」
宮緒の手の中から、澄佳の手がそっと離れる。
…この手を取れば、愛されることも分かっているけれど…。
私と結婚しても、宮緒さんを幸せにしてあげられない…。
…なぜなら私には、自分の未来が見えないからだ…。
「…私の夏の薔薇は…もう、何処にも見えないの…」
…決別の言葉を、添える。
「…私はあの海の町に、帰ります…」
宮緒の返事は、なかった。
あの頃、私の胸の中には、確かに薔薇が咲いていた…。
唯一の…真紅の夏の薔薇が…。
あの愛の日々は、確かに存在していたのだ…。
澄佳はその薔薇の面影を永遠に封印するように、一度だけ瞼を閉じた。
「…私は貴方とは結婚できないわ。
…いいえ、してはならないのよ」
「澄佳さん!」
…きっと片岡さんも今、苦しんでいる…。
麻季子さんと共に…。
その責任の一端は私にもあるのだ…。
「…私だけ、貴方と幸せになるわけにはいかない」
「…澄佳さん…」
「…自分の罪に目を瞑って、貴方と幸せにはなれない。
きっと私は、貴方も苦しめてしまうわ…」
舞い落ちた花弁を手に取る。
…あの日の薔薇とよく似た…チャイナローズ…。
あの日の薔薇は…あんなにも輝いていたのに…。
今は、色褪せて見える…。
…それは、私が変わってしまったからだ。
「…私の薔薇は…もう散ってしまったのよ…」
宮緒の手の中から、澄佳の手がそっと離れる。
…この手を取れば、愛されることも分かっているけれど…。
私と結婚しても、宮緒さんを幸せにしてあげられない…。
…なぜなら私には、自分の未来が見えないからだ…。
「…私の夏の薔薇は…もう、何処にも見えないの…」
…決別の言葉を、添える。
「…私はあの海の町に、帰ります…」
宮緒の返事は、なかった。
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