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歳下の悪魔
第8章  切なさと思い


 姿は見えなかったが、以前社食で言っていた片想いの相手だろうか。先輩と言っていたから、年上の女性なはず。
 それとも、新しい奴隷を探しているのか。
 もし和真に新しい奴隷が出来れば、私は必要なくなるかもしれない。
 挿入して欲しいと言ったせいだろうか。
 理由は分からないが、和真は私とセックスをしたくない。縄やバイブで楽しむだけ。
 彼と離れれば、それさえもなくなってしまう。
 私も裏の顔を持つと決め、和真とのプレイを楽しんでいるのに。
「あれ? 優華先輩。どうしたんですか?」
 エレベーターを待っていると、和真が近付いて来た。
「敦子さんが、用紙もないことに、気付いて……」
「すみません。確認しなくて」
「ううん……」
 来たエレベーターに乗り込んだが、他にも人がいる。
 和真の様子は、会社でのいつも通り。それなのに、何故か私の方が不思議な気持ちになっていた。
 新しい奴隷。
 古い奴隷の私を捨てるのか、それとも、複数を奴隷にするのか。
 今だって分からないのに。
 私より前から、他にも奴隷がいるかもしれない。
 挿入するセックスをする相手と、観るだけの相手を分けている可能性だってある。
 漏れそうになる溜息を隠しながら、和真と一緒に二課へ戻った。



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