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歳下の悪魔
第4章  目論見(もくろみ)


「ありがとう。助かる」
《じゃあねー》
「おやすみ」
 通話を終えてパソコンを片付けると、丁度美月からのメールがスマホへ来ている。一応時間を再確認した。
 今の会話なら、和真に聞かれても構わない。聞えたとしても、私の声だけ。
 来た時に訊かれたら、美月や他の友人と呑みに行くと言えばいい。
 またコンビニ弁当。さすがに飽きてきたが、冷蔵庫にあった野菜などは、しなびてしまった。
 少し遠回りになるけど、明日は食材もあるコンビニへ行こう。このままじゃ、体に良くない。心が病みそうという時ほど、料理をした方がいいだろう。
 和真は来ない。
 いつもの時間にシャワーを浴び、髪を乾かしてからベッドへ入った。
 盗聴器は嫌でも、こうしてみると大した害はない。
 見られているわけじゃないから、電話などの言葉に気を付ければいいだけ。
 盗聴器が見つかるまで、メモを渡されてからずっと緊張していた。
 そのせいだろう。欠伸が止まらない。そのまま、すぐに眠ってしまった。


 ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆


「和真くん。1人でご苦労様」
 傍を通った敦子が、労いの言葉をかける。
「敦子先輩。ありがとうございます」
 昨日と変わらず、午前中和真はずっと機械での分析をしていた。
 和真が機械での分析に回れば、他のメンバーはパソコンでの解析に集中出来る。やっと彼も二課の一員になれた感じだ。
「ねぇ優華ちゃん。今日はみんなで、社食に行かない? 和真くん、行ったことないんだって」
 通りすがりに、敦子に訊かれた。
「あっ、賛成―。たまには早めに、みんなで行こうよー」
 話が聞こえた美月が、守も誘っている。
「私は、弁当だから。留守番するよ」
 太田はいつも通りの、留守番希望。
「いいわよね? 和真くん」
「はいっ。嬉しいです。実は、社食の使い方が分からなくて」
 話は勝手に決まったらしい。チームワークがいいのは悪くない。でもそうなると、私も付き合うしかなかった。



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