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幸せの頂点
第9章 感覚



携帯が鳴る。


「やんっ!」


慌てて足を閉じる。

イキそうだったのに…。

ちょっとふてくされて自分の携帯を睨む。

妄想から現実に引き戻された。


「はい…。」


不機嫌な声で電話に出た。


『紫乃…?』


その声に身体がビクンと反応する。

あっ…。

イキそう…。

部長の声をオカズにする。

録音しようかな?

つまらない事を考える。


『今…、何処だ?』


耳をくすぐる声にうっとりする。

手が再びクリトリスを撫で始める。


『紫乃?』

「家…、ですよ。」

『すぐに出て来い。』

「今からですか?」

『そうだよ。』


ブツリと電話が切られる。


「神威の馬鹿っ!」


クッションを壁に投げつけてた。

つか…。

今すぐに出て来い?

意味わかんない。

部長をオカズにするオナニー女を呼び出す部長って…。

ガックリと項垂れる。

開き直り濡れた蜜部をティッシュで拭いてパンティーを履きブラジャーを留め直す。

服装の乱れだけを確認したらメイクをやり直して家を出た。

マンションのエントランスを出てからは、どっちに向かえば良いのか悩む。

普通はどこどこに来いって言うよね?

ぶっきらぼうに適当な呼び出しをする部長にムカついて来る。

自分が呼べばホイホイと出て来るゴキブリ女だと思われてるの?

苛立ちが湧く。


パーンッ…。


車のクラクションが鳴る。

その方向に振り返る。

ヤバ…。

高級車が停まってる。

運転席に居る人がチラリと見えただけで胸が熱くなって目頭に熱いものが込み上げる。


神威…。


なんで…、いつも私の予想を超えて来るのよ。

ただ純粋にカッコいいと思う。


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