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寝とらせ白書①/妻が他人に抱かれる時
第1章 序章
ある夏の日────
僕達夫婦は某大型ショッピングモールの屋外駐車場へ向かっていた。
朝の渋滞も終わり国道はスムーズに流れる。
車内を照らす陽射しに、妻はたまらずエアコンのスイッチをいれた。
昼には30℃になるであろうか、 アスファルトに浮かぶ陽炎が猛暑の到来を告げている。
僕は緊張していた。
いや、緊張ではなく『興奮』だろうか。
エアコンの冷気はいつも以上に身体に染み、アクセルを踏む右足とハンドルを持つ手が小刻みに震える。
さながら武者震いだ。
「緊張するぜ……」
助手席の妻に視線を向けることなく僕は呟いた。
「楽しみなくせに…」
呆れたように、苦笑いしながら妻は携帯をいじっている。
待ち合わせは午前10時。
15分前に駐車場に着いた。まだ開店間もないというのに結構な車の数である。
「まだ着いてないのかな……」
車を日陰に止め僕達はA氏からの連絡を待つことにした。
待ち合わせの人物A氏、実はまだ会った事がない。
もちろん車がなにかもわからない。
しかし、彼こそがこれから始まる禁断の情事───
僕の目の前で妻を抱く『他人』なのだ。