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ラブ・アンド・セックス
第1章 大きな舞台に立ちたい!
大学卒業後、結婚したオレたちは、そのまま芝居を続けていた。いつか有名な俳優、女優になって大きな舞台に立つ。それがオレたちの夢だった。
IT系の会社を経営しているオヤジは、そんなオレたちのわがままな夢を許してくれた。「若いうちにいろんな経験をしたほうがいい」それがオヤジの考えだった。「ただし、3年。25歳までだぞ。それを過ぎて芽が出なかったら、きちんと身の振り方を考えろよ」
オレも今年25歳になる。麻衣は24歳。オレたちに残された時間はあまりなかった。
「ここいらで一発、大きな舞台に立ちたいな」
思わずオレの口から本音が出た。
今日の舞台はとても楽しかったし、お客さんも喜んでくれた。でも120席の劇場を一杯にしたくらいでは、役者で食べていくことはできない。バイトで何とか食いつないでいるのが現状だ。
「お前なら、いやお前たちならできるよ。俺が保証する」
事情を知っている手塚は、真剣な顔でそう言ってくれた。本当にいい奴だ。
本当は、こんなふうに気の合うやつらと、気ままに芝居がしたいんだけどな……。オレは心からそう思っていた。
「ありがとう、手塚。応援してくれよな」
「ああ」
オレたちは、もう一度グラスを合わせると、残っていた中身をひと息に飲み干した。
IT系の会社を経営しているオヤジは、そんなオレたちのわがままな夢を許してくれた。「若いうちにいろんな経験をしたほうがいい」それがオヤジの考えだった。「ただし、3年。25歳までだぞ。それを過ぎて芽が出なかったら、きちんと身の振り方を考えろよ」
オレも今年25歳になる。麻衣は24歳。オレたちに残された時間はあまりなかった。
「ここいらで一発、大きな舞台に立ちたいな」
思わずオレの口から本音が出た。
今日の舞台はとても楽しかったし、お客さんも喜んでくれた。でも120席の劇場を一杯にしたくらいでは、役者で食べていくことはできない。バイトで何とか食いつないでいるのが現状だ。
「お前なら、いやお前たちならできるよ。俺が保証する」
事情を知っている手塚は、真剣な顔でそう言ってくれた。本当にいい奴だ。
本当は、こんなふうに気の合うやつらと、気ままに芝居がしたいんだけどな……。オレは心からそう思っていた。
「ありがとう、手塚。応援してくれよな」
「ああ」
オレたちは、もう一度グラスを合わせると、残っていた中身をひと息に飲み干した。