この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
-その後の世界-
第2章 真実の果て
一方的に与えられる快楽に、僕は力を振り絞ってカズの両肩を押し上げた。
「待って……まだ……」
「駄目だ」
その手首を、カズの空いた手が掴み……ベッドへと縫い付ける。
浅い息を吐き出す僕に、カズがねっとりと唇で塞ぐ。
……押し込まれる、カズの舌。
「……ん、はぁ……はっ、ま……まっ……」
咥内を弄られた後、僕の舌を巻き取って、強く吸い上げられる。
性急すぎる行為から逃れるように、僕はぎゅっと目を瞑った。
……はぁ、はぁ、
「………もう、これ以上失いたくない」
頬に、熱いものが滴り落ちる。
驚いて目を開ければ、カズの瞳が赤く潤んでいた。
「あの一件以来、家族が行方不明になって……
俺の大切な人達が、失われて……
俺にはもう、伊江しかいないんだ。
……伊江しか……」
ぽたぽたっ……
カズが苦しそうに瞼を閉じれば、そこから零れ落ちる、大粒の涙。