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とし子の悲劇
第3章 とし子の悲劇・第3部
その頃でありました。

家の預金通帳を勝手に持ち出した張本人が殺された義妹だと言うことが分かりましたので、アタシは無関係だったと言うことでありましたが、家のモンに濡れ衣を着せられたのでひろむの家の親族たちをのろい殺してやると激怒していました。

アタシは、義父母に『よくも濡れ衣を着せたわね!!』と怒鳴りつけて、義父母の顔を平手打ちで激しく叩いてケガを負わせたあと、ボストンバッグと赤茶色のバッグを持って家出しました。

アタシが家出したので、義父母がどうしようどうしようとパニックになっていました。

義父母は、アタシに濡れ衣を着せただけではなく、義妹を甘やかすだけ甘やかして、高額な品物を買い与えたり高校と大学の授業料に使うなどしていたことが問題になったので、ひろむさんがふざけるなと義父母に大声で怒鳴りまして大ゲンカを起こしてしまいました。

「ひろむ…許してくれ…この通りだ…」
「ふざけるなよ!!あんたたちはしほを甘やかすだけ甘やかしたのだから許すことはできない!!しほを甘やかすだけ甘やかしておいて、としこを追い出したのだからな!!あんたらのことは絶対に許さないからな!!」
「悪かった…許してくれ…しほは…たったひとりの娘だから…かわいくてかわいくて…」
「ふざけるなよ!!」

怒ったひろむさんは、桐のタンスの中に入っていました高級な琉球絣(りゅうきゅうかすり)6反と高価な品物を次々と取り出していました。

「何をするのだよ!!やめてくれよ!!」
「ふざけるな!!しほを甘やかすだけ甘やかしたのだから!!何もかもを取り上げてやる!!」

ひろむさんは、怒り心頭になっていましたので、家の中にある高価な品物をひとつ残らず取り上げていました。

アタシとひろむさんの結婚生活は1ヶ月もたたないうちにあえなく破綻となりました。
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