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とし子の悲劇
第1章 とし子の悲劇
「お願いです…としこさんこの通りですから、あんまり怒らないで下さい…雄一郎さんのご両親は、雄一郎さんが先に結婚をしてしまったから…」
「あんたの泣き言なんか聞きたくもないわよ!!義父母が自分の息子たちの結婚に無関心を通し続けた結果、桂一郎さんと健一郎さんにお嫁さんが来なかったのよ!!第一、出会いを待っているだけでは結婚のチャンスは来ないのよ!!武方さん!!」
「としこさん、桂一郎さんを無職の状態にはさせません…お仕事を見つけてきますから…桂一郎さんが結婚できるようにお給料も上げます!!手当ても出しますから!!としこさん、お願いです!!としこさんが桂一郎さんと再婚をしてくれたら、私は何も言いませんから…お願いです。」
「イヤよ!!たらい回しにされるなんてごめんだわ!!武方さん!!あんたね!!河原津のレイプ事件の時に残っていた従業員さんたちにキレて雇用保険の証書を破棄して!!退職金に充てていたお金を全部遊びことに使い果たしておいて…そんな会社をどこが委託契約をお願いするのかしらね…ムジュンしているわよ!!あんたね!!今回のことはね!!あんた自身がまいた種なのでしょ!!アタシにどうしてほしいと言うわけなのよ!?20人近くの従業員さんたちをやめさせておいてムシのいいことばかりを言わないでよ!!」
「としこさん、お願いです…としこさんが桂一郎さんとの再婚をショウダクして下さればいいのです!!」
「帰んなさいよ!!アタシね!!予約のお客様がたくさんはいっているのよ!!帰ってよ!!」

アタシは、武方さんにこう言いまして追い返しました。

武方さんは、やりきれない表情でぼうぜんとたたずんでいました。

アタシはこの時、ますます気持ちがかたくなになっていました。

クソッタレのシングルのきょうだいにたらい回しにされるくらいなら、恋人を作らずに女ひとりで生きて行く方がいいわと思ったアタシは、キャリアが全てで生きて行くことを決意しました。
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