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純愛ハンター
第2章 裁き2、ブスになる魔法
「あの…野波真保と申しますが…ソリューション事業部の二宮さんお願いできますか?」
2日後の午前11時過ぎ。若草色のパンツスーツに身を包んだ野波は、とあるオフィスビル8階の部署入り口前の内線電話にそう話しかけていた。
緊張のあまり周囲がグルグルと回転するほどの目眩に見舞われながら野波が5分程待つと、入り口から二宮がタバコの臭いを撒き散らしながらダルそうに現れた。
「お前どういうつもり?会社まで来るとかストーカーかよ…」
「い、いえ…」
「じゃあ何の用?1年ぶりに現れて俺に恨みでもあんの?」
「恨み…だなんて…とんでもないです…」
「俺、結婚するからゴタゴタは困んだよね…それに出るトコ出たってお前の方が損すんだかんな!」
「で、出るトコも出ませんし…損は…させません…」
「じゃあ…いったい何の用なんだよ!殺すぞこのブスっ!」
野波は「ブス」と言われて一瞬ビクン…!と身体を強張らせながらも二宮を真っ直ぐ見上げると、
「わたくし…こういう者です!」
【(株)ファニーズエンターテイメント REAL☆スタァ担当マネージャー 野波真保】
と書かれた名刺を差し出した。
「は?ファニーズ…?って、あのイケメンアイドルの…」
「スカウトです…弊社の『REAL☆スタァ』に加入してください…」
「お前…仕事中にふざけた事言ってんじゃねえぞ!このドブスっ!」
そう喚き散らして二宮が立ち去ろうとした瞬間、野波の背後から黒いスーツ姿の身長190cmをゆうに越えるダンサー風の男が3人表れ、二宮を取り囲んだ。
「え…ちょっ…あの…」
「いやぁ、野波さんをブス扱いするなんてさすが規格外のイケメンさんだ!」
「イケメン…え…?」
「だよなぁ!この方ならマンネリマンネリ言われてる『REAL☆スタァ』の救世主になれる!」
「間違いない!では、加入発表記者会見は正午からになりますのでお車までお送り致します」
「な…待っ…会見…?何スかコレ…ドッキリ…」
そう二宮が口走った瞬間、
「うげぇっ!ングっ…ふうぅぅ…」
みぞおちを力任せに拳でえぐられ、その場に崩れ落ちた。
「テメェはそれでも『REAL☆スタァ』の一員か?気合い入れろ気合ぃ!」
「ファンクラブ会員総数200万人超のトップアイドルだって自覚が足んねぇんだよ!」
「アイっ…ドル…?あのっ…僕は普通の会社員で…グボっ…!ゴエぇ…!」
2日後の午前11時過ぎ。若草色のパンツスーツに身を包んだ野波は、とあるオフィスビル8階の部署入り口前の内線電話にそう話しかけていた。
緊張のあまり周囲がグルグルと回転するほどの目眩に見舞われながら野波が5分程待つと、入り口から二宮がタバコの臭いを撒き散らしながらダルそうに現れた。
「お前どういうつもり?会社まで来るとかストーカーかよ…」
「い、いえ…」
「じゃあ何の用?1年ぶりに現れて俺に恨みでもあんの?」
「恨み…だなんて…とんでもないです…」
「俺、結婚するからゴタゴタは困んだよね…それに出るトコ出たってお前の方が損すんだかんな!」
「で、出るトコも出ませんし…損は…させません…」
「じゃあ…いったい何の用なんだよ!殺すぞこのブスっ!」
野波は「ブス」と言われて一瞬ビクン…!と身体を強張らせながらも二宮を真っ直ぐ見上げると、
「わたくし…こういう者です!」
【(株)ファニーズエンターテイメント REAL☆スタァ担当マネージャー 野波真保】
と書かれた名刺を差し出した。
「は?ファニーズ…?って、あのイケメンアイドルの…」
「スカウトです…弊社の『REAL☆スタァ』に加入してください…」
「お前…仕事中にふざけた事言ってんじゃねえぞ!このドブスっ!」
そう喚き散らして二宮が立ち去ろうとした瞬間、野波の背後から黒いスーツ姿の身長190cmをゆうに越えるダンサー風の男が3人表れ、二宮を取り囲んだ。
「え…ちょっ…あの…」
「いやぁ、野波さんをブス扱いするなんてさすが規格外のイケメンさんだ!」
「イケメン…え…?」
「だよなぁ!この方ならマンネリマンネリ言われてる『REAL☆スタァ』の救世主になれる!」
「間違いない!では、加入発表記者会見は正午からになりますのでお車までお送り致します」
「な…待っ…会見…?何スかコレ…ドッキリ…」
そう二宮が口走った瞬間、
「うげぇっ!ングっ…ふうぅぅ…」
みぞおちを力任せに拳でえぐられ、その場に崩れ落ちた。
「テメェはそれでも『REAL☆スタァ』の一員か?気合い入れろ気合ぃ!」
「ファンクラブ会員総数200万人超のトップアイドルだって自覚が足んねぇんだよ!」
「アイっ…ドル…?あのっ…僕は普通の会社員で…グボっ…!ゴエぇ…!」