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完熟の森
第10章 求める理音
「よう」
隣の席に梶原(カジワラ)と梶原の彼女のノンカと富岡(トミオカ)が座っていた。
「おう」
理音はノンカと嬉しそうに話し出した。
「新堂、毎日理音と遊んでんの?」
梶原が聞いてきた。
「毎日ではないけど、結構会ってる。毎日はバイトだよ」
そんなどうでもいい話をしていた。
富岡は理音を時々見ていた。
多分、理音を好きなんだと思う。
だからと言って譲る気もないし、止めろと言っても止められるものでもない。
だから僕は気づかないフリをし続ける。