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完熟の森
第14章 雫の別れ
僕は雫の腕を掴み、引き寄せ抱き締めた。


「無理しないで泣けば?見てるこっちが辛いんだけど」


雫は静かに嗚咽した。


僕はキツくキツく抱き締めた。


この時だ。


僕の中に何かがハッキリ生まれた。


雫を泣かせたくない。


雫に笑顔をあげたい。


そう思う自分がいた。


でも僕はそれに気づかないふりをした。


その感情を心の隅に小さく丸めて閉まった。



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