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完熟の森
第16章 別れとはじまり
その時、僕の携帯が鳴った。


雫からのメールだ。


『七輪と秋刀魚買いました。一緒に食べましょう』


そう送られてきた。


僕は立ち上がった。


「ごめん。俺は100%は無理みたい」


「千晶…」


「これからは富岡に縛ってもらえよ」


それは言い過ぎだ。


僕はちょっと嫌な奴になっていた。


なのに、理音は最後の最後に可愛い事を言った。


「縛られたかったのは千晶だけよ」


理音は泣いていた。


僕が泣かせた。



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