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完熟の森
第24章 桜
その日は風が生暖かく強かった。


教室の窓から雫のいる森を見ていたら、森の一部が綺麗なピンク色に染まってた。


僕はこっそり雫にメールした。


『咲いたよ、桜!教室から見える』


返信が直ぐにあった。


『はい、今、桜の木の下で見ています。早く一緒に見たいです』


雫のメールはいつも丁寧語になる。


それが僕は気に入っていた。



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