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完熟の森
第44章 充実
長谷部は好きな子がいた。
飲むとすぐその子の話をしたから会った事もないのに、手に取るように彼女の事が分かった。
名前は『花ちゃん』幼なじみでずっと好きらしい。
「花ちゃんとは会ってるのか?」
「花は今地方の大学行ってるから会ってねえ」
「寂しいな」
「好きって言えなかった。俺あんなに花を抱いたのに一度も好きって言ってやれなかった」
どうやら関係はあったが付き合ってはいなかったらしい。
想いを伝えられず離れてしまった事にかなり後悔していて酔うと嘆く。