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完熟の森
第6章 家の主
ログハウス風の部屋の中は玄関を入ると直ぐにリビングになっていて、壁一面の本棚とあちらこちらに書物が積み重なっていた。


中央のソファーとセンターテーブルと奥の壁には大きな液晶テレビがあった。


その壁の向こうにもう一部屋ありそうで、扉はないがよく見えなかった。


そして窓際にはデスクとパソコンがあり座り心地の良さそうな椅子があった。


濃厚な甘い香りが部屋中に充満していた。


真横にキッチンがあり、女性は冷蔵庫からレモネードを取り出し、二つのグラスに注いでいる。


その俯き加減の横顔は無造作に束ねたストレートの髪を片側に垂らし、首筋がよく見えて大人の色気が漂っていた。


僕はゴクリと唾を飲んだ。



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