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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第9章 月夜に、輝く池のほとりで
 そろそろ六月に暦が変わろうかという日、セリョンが井戸端でせっせと洗濯に精を出しているときである。強面の先輩女官が前方から歩いてくるのが眼に入った。




―何なの、また、お小言? それとも、新しい用事を言いつけられるのかしら。





 この女官は見かけほど(本人には失礼な話ではあるが)、人は悪くない。セリョンを新入りと見ていびろうとした他の朋輩女官から身をもって庇ってくれたこともある。
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