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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第10章 危ない口づけ(ファーストキス)
 動転してしまい、意味のない言葉だけが零れ落ちる。





 シン内官ののっぺりとした顔には、あからさまな欲情が浮かんでいる。この眼には見覚えがある。翠翠楼に登楼した客たちにも、こういう眼をした男が多いのだ。妓房に来る客たちの中には純粋に酒や妓生たちの芸を楽しむ風流人もいるけれど、大方は、こんな欲情した、ぎらついた獣の眼をした男ばかりである。
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