この作品は18歳未満閲覧禁止です
向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第10章 危ない口づけ(ファーストキス)
「俺たちは違う。こんなことを言うべきではないかもしれないが、俺自身、兄上のように政略結婚は免れないと覚悟していた。いずれ高官の娘を中殿に迎えるしかないのだろうと。政略で迎えた妻だとしても、俺は兄のように不実な良人になるつもりはなかったよ。愛せなくても、幾ばくかの情くらいは持ちたいし、相手もまた俺にその程度の情は返してくれるような女であればと願った」
セリョンの背に回された手に力がこもる。