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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第12章 少女も歩けば事件に当たる
貧しい患者からは治療費は取らないから、人気はあるものの、すべて〝出世払いで良い〟と言うものだから、いつも金がなく、あばら屋に住んでいる。
その医者とは、妻が亡くなってから今日に至るまでの長い付き合いだ。スンチョンは粗末な仕舞屋(しもたや)に住んでいるが、一応、両班である。もちろん、無位無職で、俸給などありはしない。それは妻が生きていた頃からのことで、妻はいつも仕立物の内職に追われていた。