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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第13章 秘密の情人
 それにはムミョンだけでなく、セリョンも振り向いた。女は泣きわめく赤児を揺すり上げつつ、息を荒げている。駆けてきたのだ。





「この子が夜泣きをよくするもんで、あたしは深夜に再々起こされて、この辺りを行ったり来たりするんだよ。それで、お嬢さんの男も何度か見かけたことがあるのさ。あたしが憶えているのは、月明かりに照らされた男がずば抜けて背が高かったことと、お嬢さんと並んで歩いていた時、右足を軽く引きずっていたこと、それだけしきゃないですけどね。近くならもっと顔の造作とか見えたでしょうけど、何しろ夜で遠目だったもので」
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