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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第17章 苦難の道
 セリョンが翠翠楼に入ってゆくのを見届け、踵を返したそのときだった。



「若さま」



 聞き憶えのある声に、ムミョンはつと振り向いた。色町の往来にファオルがひっそりと立っていた。目抜き通りと違い、色町はこの時間帯、人通りはさほどではない。やはり、色町が活気づくのは夜の帳が降りてからだ。
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