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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第25章 波乱の予感
英宗は基本的には親しみやすく、身分に囚われない拓けた王だ。そんな彼は時として、古参の老獪な重臣たちでさえ畏怖するほどの非情さを見せつける。
―先王と違い、今の若い王は操り人形にするどころか、下手に足下を掬おうとしたら、こちらが逆に返り討ちにあうぞ。
それが、重臣一同の見解であった。
そこまで怜悧な王がどうして清国側の目論見が見抜けなかったか? その点では、王と王妃はまさに似た者夫婦としか言いようがなかった。