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第25章 波乱の予感

　王の面に焦燥と迷いが濃く現れたのを見て、領議政は隣の左議政と顔を見合わせた。





　国や民を危険にさらすことに加え、更に皇女個人の生命も危ういと説けば、心底は心優しい若い王が縁談を余計に断り辛くなる。領議政は百戦錬磨、幾多もの政変をかいくぐって生き残ってきた人である。幾ら王が英明であろうが、相手の心の隙を突くにかけては老練な領議政の方が上手だった。