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第26章 愛と煩悶の狭間で

　母のことも含めて、セリョンはムミョンには心から感謝している。母が倒れた原因も、そもそもはお人好しの母が妓生時代の昔馴染みに多額の金を騙し取られたからだ。その頃、翠翠楼の経営は悪化の一途を辿り、そこに大枚の金を貸して騙し取られたものだから、見世は立ちゆかなくなった。騙されたのを知った衝撃のあまり、ウォルヒャンは発作を起こしたのだった。ムミョンはその借金でさえ、すべて肩代わりしてくれた。