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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第26章 愛と煩悶の狭間で
 まもなくホンファは両手に小卓を持ち、戻ってきた。眼の前に小卓が置かれると、セリョンは茶器を手にして二つの湯飲みに均等に茶を注いだ。今宵は南方から王室に献上されたという珍しい柑橘茶である。





 湯気の立つ湯飲みからは、何とも馥郁とした果実の香りが流れてくる。セリョンは湯飲みを持つと鼻に近づけ、しばし果実の香りを愉しんでから口に含んだ。
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