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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第26章 愛と煩悶の狭間で
 そのときだった。彼方から、かすかなざわめきが聞こえてくるのに気づき、セリョンは眼を開いた。ホンファも何事かと伸び上がるように人声のする方角を見ている。




「他にも散歩をしている人がいるみたいね」




 時候の良い季節である。他に人がいたとしても不思議はない。ただし、王宮庭園に入れる者は限られている。セリョンは何とはなしに胸騒ぎを憶えた。
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