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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第26章 愛と煩悶の狭間で

「確かに私は建前上は右相大監の娘となっておりますが、真実は妓生の娘です。さりながら、妓生の娘でも一通りのことは学んでおります。華嬪さまのお国でも同じではありませんか? 芸妓は何も春をひさぐだけではありません。殿方とも対等に政治談義もできるように、技芸はむろん詩歌、楽、政治向きのことまでありとあらゆる道を究めるべく幼い時分から厳しい修練を積みます。皇帝陛下、国王さまのお相手もできるだけの教養を積むのが芸妓の本分なのです。ゆえに、わが国の妓生は華嬪さまの祖国の歴史についても、すべてきちんと学んでいることでしょう」

