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第26章 愛と煩悶の狭間で

「さりながら、妓生の娘が殿下を誑かしたのは、廓仕込みの手練手管を使ったからだと皆が申しておるぞ。そなたは妓生にはならなかったというが、その実、殿下がご存じないだけで、中殿も妓生として客を取っていたという噂もある。中には殿下がそなたの客として遊廓に通っていたという話まで聞いた。火のない場所に煙は立たぬという。なるほど、賤しい女が王妃に成り上がれるなど、やはり、そなたが男の気を引くのが生業の遊び女出身ゆえではないのか」