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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第26章 愛と煩悶の狭間で
 あの言葉だけは許せなかった。最後のひと言はセリョン一人に向けられたものではなく、翠翠楼の、いやすべての妓生たちに向けられたものだった。あの刹那、セリョンの脳裡に大切な人たちの笑顔が次々と甦った。




 捨て子の自分を妓生にせず、大切に育ててくれた母、今は母の跡を継いで翠翠楼の行首として妓楼を切り盛りしているファオル、その他のセリョンの身内も同然の翠翠楼で働く妓生たち。
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