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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第3章 過去

ムミョンがフと笑った。冬の陽に照らされたその横顔はとても淋しげで。セリョンの心は引き絞られるように痛かった。
「まさに、あの母にして息子ありという親子だ。父はそんな義母の裏の貌は一切知らない。それでも、母が生きていた頃はまだ良かったんだ。俺は母のところにいたし、父は正室より母を愛していたから、母の許にもよく来て俺を可愛がってくれた。多分、義母は母が許せなかったんだろう。母は両班の娘で、庶子というわけでもない。それでも、実家は逼塞した名ばかりの両班で、功臣の末裔である義母は名門の息女だった。そんな義母は自分より身分の低い母が父に愛されるのが腹だたしくてならなかった。おまけに俺なんかが生まれたものだから、化け物を産んだ賤しい女だと罵られた挙げ句、母は最後には精神に異常を来して亡くなった」
「まさに、あの母にして息子ありという親子だ。父はそんな義母の裏の貌は一切知らない。それでも、母が生きていた頃はまだ良かったんだ。俺は母のところにいたし、父は正室より母を愛していたから、母の許にもよく来て俺を可愛がってくれた。多分、義母は母が許せなかったんだろう。母は両班の娘で、庶子というわけでもない。それでも、実家は逼塞した名ばかりの両班で、功臣の末裔である義母は名門の息女だった。そんな義母は自分より身分の低い母が父に愛されるのが腹だたしくてならなかった。おまけに俺なんかが生まれたものだから、化け物を産んだ賤しい女だと罵られた挙げ句、母は最後には精神に異常を来して亡くなった」

