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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第26章 愛と煩悶の狭間で
実のところ、華嬪の処遇に関して、彼は大いに悩んでいる。皇帝の心証を慮って後宮にひとたびは迎え入れたものの、この先、華嬪を抱く気はない。これが自国の両班家の令嬢なら、相応の王族か臣下の許に再嫁させるという方法がある。無垢なままの娘を既に王のお手つきとして〝下げ渡す〟という形になってしまい、娘の名誉を守ってやることはできない。が、女として花咲くこともないまま後宮で散るよりはよほど当人にとっては幸せだ。