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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第26章 愛と煩悶の狭間で
 華嬪は力任せに結い上げた髪から、簪を引き抜いた。それは後宮入りしてまもなく、王から贈られた簪だった。蓮花を象った珊瑚の簪である。




「こんなもの!」



 意のままにならない王への怒りを込めて投げつけようとして、彼女の顔が泣きそうに歪んだ。
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