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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第27章 心に走る漣(さざなみ)

セリョンは優しく言う。まるで幼子に言い聞かせるような口調だ。
「あなたのその気持ちだけで、私は十分よ。私も人間だから、最初は嘆きもしたし、あなたを少しは恨んだの。でも、考えてみたら、一国を背負う人は私情を優先させては生きられないものなのよね。私は今はまだ中殿だから、あなたと同じで、この国を守るべき立場にある。王妃として、王の伴侶として何をなすべきかを考えた時、哀しいから嘆いてばかりいないで、なすべきことをしなければならないと気づいた」
「あなたのその気持ちだけで、私は十分よ。私も人間だから、最初は嘆きもしたし、あなたを少しは恨んだの。でも、考えてみたら、一国を背負う人は私情を優先させては生きられないものなのよね。私は今はまだ中殿だから、あなたと同じで、この国を守るべき立場にある。王妃として、王の伴侶として何をなすべきかを考えた時、哀しいから嘆いてばかりいないで、なすべきことをしなければならないと気づいた」

