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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第27章 心に走る漣(さざなみ)
 もっとも、多忙を極める彼女が遣いの尚宮ではなく自らわざわざ出向いてくること自体、訪問の目的がただ事ではないと示している。





「私に斟酌は無用です。キム尚宮、私は中殿の座に座ってまだ日も浅く、市井から王室に嫁いだばかりで後宮のしきたりもいまだ判らぬことばかり。頼みにするのは古参の尚宮であるそなたたちゆえ、気づいたことは何でも教えて欲しい」
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