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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第29章 涙の選択
 セリョンが気紛れで彼を捨てようとしているかのように言っている。



 セリョンの胸に熱い塊がこみ上げた。




「よくも言ってくれたわね。私が好んで王妃の座を降りるとでも? あなたは私があなたを捨てるとばかり言っているけど、実際のところはどうなのかしら。捨てられるのは、あなたではなく私だと誰もが思っているわ。そんなことも判らないの?」
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