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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第29章 涙の選択
 昼過ぎに寝所に入った王と王妃はその日、陽が落ちて一夜が明けるまでずっと寝所に籠もっていた。早朝、漸く東の空の端が白々と明け初める刻限、数え切れないほどの営みの末、セリョンは意識を手放した。




 深い眠りに誘(いざな)われる妻を逞しい腕で抱き寄せ、王は切なげに呟いた。
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